犬の便の色でわかる健康状態
犬の便の色でわかる健康状態|色別チェックと受診の目安
犬の便は、体調や消化・出血のサインが出やすい「健康のバロメーター」です。ここでは、便の色から考えられる状態と、家庭でできる観察ポイント、動物病院を受診すべき目安をまとめます。
まず知っておきたい「正常な便の色」と範囲
一般的に健康な犬の便は、茶色〜こげ茶の範囲で、食事内容によって多少の濃淡が出ます。次のような場合は「食べ物の影響」で一時的に色が変わることもあります。
- レバーや赤身肉、鉄分の多いフード:濃い色になりやすい
- 緑黄色野菜や海藻:やや緑っぽく見えることがある
- 着色の強いおやつ:一時的な色変化
ただし、いつもと違う色が続く、または元気・食欲・嘔吐など他の症状がある場合は注意が必要です。
便が「黒い(タール状)」ときに考えられること
便が黒く、ベタつく・タール状の場合、消化管の上部(胃〜小腸)からの出血で血液が消化されて黒く見える「メレナ(黒色便)」の可能性があります。
- 胃潰瘍、腫瘍、異物、薬(NSAIDsなど)による胃腸障害
- 重度の胃腸炎
受診の目安:黒色便が出たら、できるだけ早く動物病院へ。ぐったり、貧血っぽい、嘔吐がある場合は緊急性が高いです。
便が「赤い(鮮血が混じる)」ときに考えられること
便の表面に鮮やかな赤い血が付く、または便と一緒に血が出る場合、主に大腸・肛門付近の出血が疑われます。
- 大腸炎(ストレス、食事変更、感染など)
- 肛門嚢(肛門腺)トラブル、肛門周囲の傷
- 寄生虫、ポリープ など
受診の目安:少量でも繰り返す、下痢を伴う、痛がる、排便回数が増える場合は受診を。大量出血や元気消失があれば早急に受診してください。
便が「白っぽい・灰色っぽい」ときに考えられること
便が白っぽい/灰色っぽい/粘土状に見える場合、胆汁の流れや脂肪の消化に問題がある可能性があります。
- 胆道系のトラブル(胆汁が腸に出にくい)
- 膵臓の機能低下(脂肪便)
- 高脂肪食による消化不良
受診の目安:白〜灰色が続く、体重減少、食欲はあるのに痩せる、嘔吐、黄疸(白目や歯ぐきが黄色い)などがあれば早めに受診を。
便が「黄色い」ときに考えられること
便が黄色っぽい場合、消化が早く進みすぎて胆汁の色が十分に変化しない、または脂肪の消化がうまくいっていない可能性があります。
- 急な食事変更、消化不良
- 小腸性の下痢
- 膵臓・肝臓のトラブルが関与することも
受診の目安:黄色便が2日以上続く、下痢・嘔吐・食欲不振を伴う場合は受診を検討してください。
便が「緑色」になるときに考えられること
便が緑色の場合、食べ物(緑の野菜、海藻)で起きることもありますが、腸の動きが速い・胆汁色素の影響などでも見られます。
- 急性下痢で腸内通過が速い
- 草を多く食べた
- (環境によっては)毒物・薬剤の誤食が疑われるケースも
受診の目安:下痢、嘔吐、震え、よだれ、元気消失がある場合は早急に受診を。誤食の心当たりがあればすぐ相談してください。
便が「オレンジ色」っぽいときに考えられること
便がオレンジ色に見える場合、胆汁の影響や食事(にんじん、かぼちゃなど)で起こることがあります。サプリや薬の影響で色が変わることもあります。
受診の目安:食事要因が思い当たらず続く、嘔吐・下痢・食欲不振がある場合は受診を。
便の色以外に一緒に見るべき観察ポイント
- 回数:急に増える/夜間もする
- 形:コロコロ、細い、粘液が多い
- におい:腐敗臭が強い、いつもと違う
- 混ざりもの:粘液、血、虫、未消化物
- 全身状態:元気・食欲・水を飲む量・嘔吐・発熱
可能なら、便の写真や現物(密閉容器・袋に入れて)を持参すると診察の助けになります。
すぐに動物病院へ行ったほうがよいサイン
- 黒色便(タール状)や大量の血便
- ぐったりしている、意識がぼんやりしている
- 嘔吐が続く、水も飲めない
- 子犬・高齢犬・持病(腎臓/肝臓/膵臓など)がある
- 誤食・中毒が疑われる
家庭でできるケア(受診までのつなぎ)
軽い軟便程度で元気・食欲が保たれている場合は、次のような対応が役立つことがあります(ただし無理は禁物です)。
- 食事を急に変えず、消化のよい内容にする(獣医師の指示があれば療法食)
- 水分摂取を確保する
- おやつ・脂っこいものを控える
自己判断で人用の下痢止めや鎮痛薬を与えるのは危険な場合があります。必ず動物病院に相談してください。
まとめ:便の色は「単発」より「継続」と「他の症状」が重要
便の色は食事の影響でも変わりますが、いつもと違う色が続く、血が混じる、元気や食欲が落ちるなどがあれば受診の目安になります。日頃から便の色・形・回数を観察し、変化に早く気づけるようにしておきましょう。



















