被毛ケアと栄養バランス
被毛ケアと栄養バランス:ツヤのある毛並みを育てる基本
被毛の状態は、見た目の美しさだけでなく、皮膚の健康や体調のサインにもなります。日々のブラッシングなどの「外側からのケア」と、食事による「内側からのケア」を両立させることで、抜け毛・乾燥・フケ・ベタつきなどのトラブルを予防しやすくなります。
被毛ケアの基本:毎日の積み重ねが差になる
被毛ケアは「汚れを落とす」だけでなく、皮膚の状態を観察し、毛玉やもつれを防ぎ、血行を促す目的もあります。犬種・猫種や毛質(短毛/長毛/ダブルコート)によって適切な頻度と道具が変わります。
ブラッシングのポイント
- 頻度の目安:短毛は週2〜3回、長毛はできれば毎日。換毛期は回数を増やす。
- 力加減:皮膚をこすらず、毛の流れに沿ってやさしく。
- チェック項目:赤み、フケ、湿疹、脱毛、ベタつき、におい、ノミ・ダニの有無。
道具の選び方(例)
- スリッカーブラシ:長毛のもつれ・抜け毛対策に。皮膚に当てすぎない。
- ラバーブラシ:短毛の抜け毛を絡め取りやすい。
- コーム:仕上げや毛玉チェック、顔周りのケアに便利。
シャンプーと保湿:洗いすぎは逆効果
皮膚のバリア機能を守るには、洗浄のしすぎを避け、必要に応じて保湿を取り入れることが大切です。におい対策だけで頻繁に洗うと、乾燥やかゆみにつながる場合があります。
シャンプーの目安
- 一般的な目安:月1回前後(生活環境や皮膚状態で調整)。
- 皮膚が弱い場合:低刺激タイプを選び、獣医師に相談。
- 洗い残し注意:すすぎ不足はかゆみ・フケの原因になりやすい。
乾燥対策
- ドライヤーは熱を当てすぎず、根元までしっかり乾かす。
- 乾燥が気になる季節は、保湿スプレーや保湿ローションを検討。
- 室内の湿度管理(過度な乾燥を避ける)も有効。
栄養バランスが被毛に与える影響
被毛はタンパク質を中心に作られ、皮膚の健康には脂質・ビタミン・ミネラルも関わります。外側からどれだけケアしても、栄養が不足すると毛ヅヤや密度に影響が出やすくなります。
被毛のために意識したい栄養素
- 良質なタンパク質:被毛の材料。主原料(肉・魚など)や成分表示を確認。
- 必須脂肪酸(オメガ3・オメガ6):皮膚のうるおい、ツヤの維持に関与。
- ビタミン類:皮膚の代謝や健康維持をサポート(過剰摂取には注意)。
- 亜鉛・銅などのミネラル:被毛の形成に関わる。欠乏・過剰どちらも問題になり得る。
フード選びのコツ
- 総合栄養食を基本にする(年齢・体質・活動量に合うもの)。
- 「毛並み用」などの機能性フードは、体質に合うか様子を見ながら切り替える。
- 急な変更はお腹を壊しやすいので、7〜10日ほどかけて徐々に移行する。
おやつ・サプリの扱い方:足し算よりも全体設計
おやつやサプリは便利ですが、与え方によってはカロリー過多や栄養バランスの偏りにつながります。まずは主食の質と量を整え、その上で不足を補う考え方がおすすめです。
- おやつの量:1日の摂取カロリーの1割程度を目安に。
- サプリ:皮膚トラブルがある場合は自己判断で増やさず、獣医師に相談。
- 脂質の追加:オイル類を足す場合は少量から。便の状態や体重変化を確認。
よくある被毛トラブルと見直しポイント
毛がパサつく・ツヤがない
- ブラッシング不足、洗いすぎ、乾燥(室内環境)
- 脂質や必須脂肪酸の不足、タンパク質の質・量
フケ・かゆみが出る
- シャンプーの刺激、すすぎ残し、乾燥
- アレルギー、寄生虫、皮膚疾患の可能性(早めに受診)
抜け毛が増えた
- 換毛期やストレス、栄養不足
- ホルモンバランスや皮膚病が隠れている場合もある
まとめ:外側のケア×内側の栄養で毛並みは整う
被毛のコンディションを整えるには、ブラッシングや適切なシャンプーで皮膚環境を守りつつ、総合栄養食を基本に栄養バランスを整えることが近道です。気になる症状(強いかゆみ、脱毛、赤み、におい、ベタつき)が続く場合は、早めに動物病院で相談しましょう。



















