シニア期の栄養バランス
シニア期の栄養バランス|健康を支える食事の基本
シニア期は、筋力や骨量の低下、食欲の変化、噛む力・飲み込む力の低下などにより、栄養が不足しやすくなります。 一方で活動量が減ると、同じ量を食べても体重が増えやすいこともあります。 大切なのは「食べる量を減らす」よりも、「必要な栄養を過不足なく整える」ことです。
シニア期に起こりやすい栄養課題
- たんぱく質不足:筋肉量が減りやすく、転倒・フレイルのリスクが上がる
- カルシウム・ビタミンD不足:骨量低下につながりやすい
- 食物繊維不足:便秘や腸内環境の乱れにつながる
- 水分不足:喉の渇きを感じにくくなり、脱水のリスクが上がる
- 塩分・糖分・脂質の摂りすぎ:高血圧や脂質異常、血糖コントロールに影響
栄養バランスの基本:主食・主菜・副菜を揃える
毎食すべて完璧にする必要はありませんが、まずは「主食・主菜・副菜」を意識すると自然に栄養が整いやすくなります。
- 主食:ごはん、パン、麺類(エネルギー源)
- 主菜:肉、魚、卵、大豆製品(たんぱく質源)
- 副菜:野菜、きのこ、海藻(ビタミン・ミネラル・食物繊維)
さらに、乳製品(牛乳・ヨーグルト・チーズ)や果物を適量加えると、カルシウムやビタミン類が補いやすくなります。
特に意識したい栄養素と食品例
1) たんぱく質(筋肉・免疫の維持)
筋力維持のために、1日の中で分けて摂るのがおすすめです。噛みにくい場合は、豆腐・卵・魚・ひき肉なども活用できます。
- 魚(鮭、さば、いわし、まぐろ)
- 肉(鶏むね・もも、豚ヒレ、ひき肉)
- 卵
- 大豆製品(豆腐、納豆、豆乳)
- 乳製品(ヨーグルト、チーズ)
2) カルシウム+ビタミンD(骨の健康)
カルシウムは「摂る」だけでなく「吸収する」ことも大切です。ビタミンDは日光や食事から補えます。
- カルシウム:牛乳、ヨーグルト、小魚、豆腐、小松菜
- ビタミンD:鮭、さんま、きのこ類(干ししいたけ等)
3) 食物繊維(腸内環境・血糖対策)
- 野菜(葉物、根菜)
- きのこ、海藻
- 豆類、雑穀
4) 水分(脱水・便秘予防)
「喉が渇く前にこまめに」が基本です。汁物、スープ、果物なども水分補給に役立ちます。 利尿作用のある飲み物(アルコール等)は摂りすぎに注意しましょう。
減らしすぎに注意:シニア期の「低栄養」
体重が減ってきた、食事量が落ちた、疲れやすい、筋力が落ちたと感じる場合は、低栄養の可能性があります。 「健康のために控える」意識が強すぎると、必要な栄養まで不足することがあります。
- 食が細い日は、少量でも栄養密度の高い食品(卵、豆腐、ヨーグルト、魚)を選ぶ
- 間食に、牛乳・ヨーグルト・チーズ・果物などを活用する
- 主食を抜かず、食べやすい形(お粥、やわらかいパン等)に調整する
塩分・糖分・脂質は「控えめに、上手に」
高血圧や生活習慣病が気になる場合でも、極端な制限は続きにくく、食欲低下にもつながります。 まずは日々の工夫で「自然に減る」形を目指しましょう。
- 塩分:だし、酢、香味野菜、スパイスで薄味でも満足感を
- 糖分:甘い飲料を減らし、果物やヨーグルトなどに置き換える
- 脂質:揚げ物の頻度を調整し、魚や植物油(適量)も活用
1日の食事例(目安)
朝食
- ごはん(またはパン)
- 卵料理(ゆで卵・卵焼き)
- ヨーグルト+果物
- 具だくさん味噌汁(野菜・豆腐)
昼食
- 麺類+たんぱく質(鶏肉・卵・豆腐など)
- 野菜の小鉢(ほうれん草のおひたし等)
- 可能なら牛乳やチーズを追加
夕食
- ごはん
- 焼き魚(または豆腐ハンバーグ)
- 野菜の煮物・和え物
- きのこ・海藻の副菜
噛む・飲み込む力が気になるときの工夫
- 肉は薄切り・ひき肉、魚は骨取りややわらかい調理法(煮る・蒸す)にする
- 野菜は細かく切って煮る、スープにする
- パサつく食品は、とろみ・あんかけ・ヨーグルトソースなどで食べやすく
- むせやすい場合は、医療・介護の専門職に相談する
まとめ:続けられる形で「不足しやすい栄養」を補う
シニア期の栄養バランスは、主食・主菜・副菜を基本にしつつ、 たんぱく質、カルシウム+ビタミンD、食物繊維、水分を意識すると整えやすくなります。 体調や持病、服薬状況によって適切な食事は変わるため、不安がある場合は医師や管理栄養士への相談もおすすめです。



















