犬が歩きたがらない原因
犬が歩きたがらない原因|考えられる理由と対処のヒント
散歩中に急に立ち止まる、家を出たがらない、抱っこをせがむ――犬が「歩きたがらない」行動には、体の不調から環境ストレス、学習(クセ)までさまざまな原因が隠れています。ここでは主な原因を整理し、飼い主さんが確認できるポイントと対処の方向性をまとめます。
まず確認したい:緊急性が高いサイン
次のような様子がある場合は、無理に歩かせず、早めに動物病院へ相談してください。
- 足を引きずる、触ると痛がる、鳴く
- 呼吸が荒い・ぐったりしている・意識がぼんやりしている
- 嘔吐・下痢・食欲不振が同時にある
- 熱中症が疑われる(よだれが多い、舌が赤い/紫っぽい、体が熱い)
- 急に歩けなくなった、後ろ足がふらつく
原因1:体の痛み・不調(もっとも多い)
「歩きたくない」の背景に、痛みや違和感があることは少なくありません。特にシニア犬や小型犬は要注意です。
- 関節・骨のトラブル:膝蓋骨脱臼、関節炎、股関節の不調、椎間板ヘルニアなど
- 肉球・爪のトラブル:肉球の擦りむけ、ひび割れ、爪の割れ、異物(小石・ガラス片)の刺さり
- 筋肉痛・疲労:運動量を急に増やした、坂道や階段が多かった
- 内科的な不調:発熱、腹痛、心臓・呼吸器の問題など
チェックポイント:歩き方が左右で違う/座り方が不自然/段差を嫌がる/触ると嫌がる部位がある、など。
原因2:暑さ・寒さ・路面の刺激
気温や路面状態によって、犬は散歩を強く嫌がることがあります。
- 夏:アスファルトの熱、湿度、熱中症リスク
- 冬:冷えによる関節のこわばり、短毛犬の寒さストレス
- 雨・雪:濡れるのが苦手、足先の冷たさが不快
対処のヒント:夏は早朝・夜間に変更、路面温度を手で確認。冬は服や短時間散歩、室内運動を併用。
原因3:怖い・不安(音、他犬、人、場所)
犬が歩かないのは「行きたくない」ではなく「怖くて動けない」こともあります。
- 車・バイク・工事音・雷など大きな音が苦手
- 他犬に吠えられた、追いかけられたなどの嫌な経験
- 人混み、子ども、帽子や傘など特定の刺激が怖い
- 暗い道、狭い道、滑る床材が苦手
対処のヒント:安心できるルートに変更し、距離を取りながら少しずつ慣らす(無理に引っ張らない)。ごほうびで「その場所=良いこと」を作る。
原因4:ハーネス・首輪・リードが合っていない
装着時だけ固まる、玄関で止まる場合は、道具の不快感が原因のことがあります。
- サイズがきつい/擦れる/動きを妨げる
- 首輪が気管を圧迫して苦しい(特に短頭種・小型犬)
- リードの張りが強く、常に引っ張られている感覚がある
対処のヒント:サイズ調整、当たりやすい部位の確認、首への負担が少ないハーネスの検討。リードはたるみを作って歩く練習を。
原因5:散歩が「楽しくない」学習(抱っこ・帰宅の成功体験)
立ち止まると抱っこしてもらえる、止まると帰れる――という経験が重なると「止まれば得をする」と学習することがあります。
- 疲れたときに毎回抱っこで帰っている
- 嫌な場所で止まると、ルート変更してもらえる
- 散歩中に叱られることが多く、外が楽しくない
対処のヒント:歩けた距離・タイミングで褒める/ごほうびを与える。抱っこは「安全確保が必要なとき」に限定し、少し歩けたら休憩→再開の形に。
原因6:年齢・犬種・体力の特性
散歩量の目安は犬によって大きく異なります。体力に対して負荷が高いと、歩きたがらないのは自然な反応です。
- 子犬:経験不足で外が怖い、疲れやすい
- シニア犬:関節のこわばり、視力・聴力低下による不安
- 短頭種:呼吸が苦しくなりやすい
- 小型犬:段差や長距離が負担になりやすい
対処のヒント:距離より「質」。短時間を複数回、匂い嗅ぎを取り入れた散歩、室内での知育遊びも有効です。
自宅でできる簡単チェックリスト
- 肉球に傷・赤み・異物はないか
- 爪が伸びすぎていないか、割れていないか
- 足・腰・背中を触って嫌がる場所はないか
- ハーネス/首輪の擦れ、毛切れはないか
- 散歩の時間帯(暑さ/寒さ)と拒否の関連はあるか
- 特定の場所・音・犬・人で止まる傾向はあるか
対処の基本:無理に引っ張らない
歩かない犬を力で引っ張ると、恐怖や痛みが強化され、散歩嫌いが悪化しやすくなります。まずは原因を切り分けましょう。
- 体の不調を疑う:痛みや異常があれば受診
- 環境を見直す:時間帯・ルート・刺激を調整
- 成功体験を増やす:数歩でも歩けたら褒める
- 短く終える:嫌になる前に帰宅し「散歩=安心」を作る
動物病院に相談するときに伝えると良いこと
- いつから、どの場面で歩かなくなったか(急性/慢性)
- 痛がる様子の有無、足をかばうか
- 散歩距離・時間の変化、運動後の様子
- 食欲・排泄・呼吸・咳・嘔吐など他症状
- 動画(歩き方、立ち止まる瞬間)があると有用
まとめ
犬が歩きたがらない原因は、痛みや体調不良、暑さ寒さなど環境、恐怖・不安、道具の不快感、学習による行動など多岐にわたります。まずは安全と健康を優先し、無理に歩かせず原因を見極めていきましょう。気になる症状がある場合は早めに獣医師へ相談するのが安心です。



















